今年の地域別最低賃金は、深刻化する人手不足や物価上昇を背景に全国平均で51円が引き上げられ、全国加重平均額は1,055円と「2030年代半ばまでに全国平均1,500円」の政府が目指す目標に向かって大きく前進しました。
1.今年の傾向
国の中央審議会は、全国一律50円の引上げ額を目安としましたが、首都圏や近隣県へ労働者が流出することへの懸念や、外資系の会社の進出がきっかけとなり、目安額を上回る県は次のとおり27県となりました。今年は、都市部に関しては目安額と同じ50円で決着しており、2018年に224円まで拡大した金額差が212円と地方との格差が縮小しています。
2.最低賃金額(近畿圏その他主要都市)
3.最低賃金と年収の壁
10月からは従業員数(厚生年金保険の被保険者数)51人以上の企業が社会保険の適用要件の拡大により「106万円の壁」の対象になります。50人以下は「130万円」が壁となりますが、働く時間を減らして年収を抑え、配偶者の社会保険の扶養に入り続けようとする者も増えると思われます。社会保険加入のメリットを説明し、助成金活用なども視野にご対応ください。
算定基礎届による標準報酬月額の変更は9月分(10月納付)からです。
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